29/04/2009
アクラ。
今日は雨。
一人暮らしが始まってから何日たっただろうか。
オーナーやセキュリティのみんなと少しずつ仲よくなってきた。
朝出勤前に必ず挨拶していく。「マーチェ、ミ コ エシ゛ュマ、オチナ~」(おはよう、働きにいきます、またね~)
そしたら、今朝は「コ フ゛ラ!」といってくれた。
なんかほわっとして嬉しかった。
たったそれだけのことが。
コ=行く、フ゛ラ=来る なので、つまり、行って帰り~ってことなんだよね。
遠い昔、私がまだ小さいころ、出かけるときにおばあちゃんに「行って帰り」と言われたことを思い出したの。
母に聞いた。「なんで、みんないってらっしゃいっていうのに、ばあちゃんは”行って帰り”なの?」って。
「行ったままじゃなくて、ちゃんと無事に帰ってきなさいねってことなのよ。本当はそう言うほうがいいね」
なんかこころの中が、ほわっとした。
こういうのを、あったかい というんだろうなあ・・そんなことを 想い、じんとしながら、朝の道を歩いた。
そういえば誕生日の朝、なんとも小さな、でもとても不思議なハプニングがありました。
毎朝、私はここガーナのメインの交通手段である「trotro=トロトロ」というバス(今にも爆発しそうな壊れそうな中古ワゴン)に乗って出勤している。
そして、赤信号で止まると、いっせいに物売りの人達が車のまわりに集まってきて、いろんなものを売ってくれる。
これは、ここではれっきとした商売・職業?です。主に食べ物・水・お菓子・果物、そして、ハンカチ・地図・おもちゃ・・何故かベルトや下着や靴磨きセット・・・あらゆるもの全てが、頭の上にのせられて運ばれてくる。
これについての驚異的なバランス力はまたいずれ書きたいと思う。
とにかく、その日もいつものように、物売りのお兄さんがやってきた。
31歳の、わたしの物語がまた始まる。すでにいつもの見慣れた風景をみながら、うわの空で私は彼の動きをみていた。
その日のトロトロには母親と赤ちゃんが一番前にいて、そのお兄さんは突然おもちゃを取り出し、音を鳴らした。
その曲は偶然にも「Happy Birthday to you, happy birthday to you ,,♪ 」
あとにもさきにもこれが最初で最後じゃないかという確率で・・今まで一度もこんなことなかった。
たったそれだけの偶然が、その軽いおもちゃの音にか、そのお兄さんの大きな無邪気な笑顔のせいか、何故かふいに思わず涙が一粒、うっかりおちてしまった。
なんで・・・・なんで?
左隣には人がすわっていたので、私は右をむいて涙をぬぐった。
そんで、また前をむこうと思ったのにまたこぼれおちてきて、なんでだろう?
限りなく自然に、ぽろぽろと・・・・・・。
車がすごいスピードでまた走り始めてくれたから、よかった。
目立たないようにぬぐって、私はまたまっすぐ前をむいた。
強い風がそのあと乾かしてくれた。
昔からそう。
一粒でも涙を流したあとは、少しだけ、目の光が強くなって少しだけ、目の色が深くなってそんな気がするから
それで何故かすっきりするから泣くことは、、きらいじゃない。
その日仕事場にいたValleryとRoseがBirthday Song歌ってくれた。
仕事のあと、協力隊仲間のいくちゃんとみわちゃんが、たくさんのご飯をつくってくれて、うちに来てくれた。
両親と姉からお祝いのメールをもらった。
たくさんの大事な友達からメールをもらった。
海外にいる、大事な友達からも・・・・私が今たっていられる理由はそこにあって逆をいえば、それがなくては私は今、たっていられなかった。
そのことをアフリカでもやはり同じように感じる。
きっと、隣にいたあの女性も、あのお兄さんも、みんな、同じように大切な人がみんなそれぞれ必要で
じゃなきゃ、人はなんて弱いんだろう?
でも、涙なんて枯れてしまうかのように、ここは、
人を「生きさせる」。
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